出張ノウハウ

出張手当・日当の相場はいくら?計算方法と課税・非課税を解説【2026年】

※この記事は公開後、2026年9月に最新の公表資料を確認し、大幅に加筆・修正しました。

「出張すると日当はいくらもらえる?」
「宿泊費とは別に出張手当が出る?」
「日当は給料扱いになって税金がかかる?」
出張が決まったとき、このあたりが気になる方も多いでござろう。
まず押さえておきたいのは、一般に「出張手当」と呼ばれるものの中には、

  • 交通費
  • 宿泊費
  • 出張日当
  • その他の必要経費

など、性質の違う費用が含まれることです。
また、出張日当の金額は法律で全国一律に決められているわけではありません。 厚生労働省の資料でも、出張者へ日当を支払う法律上の義務はなく、実際の取り扱いは就業規則や旅費規程などによるとされています。
この記事では、2026年時点で確認できる公的調査や出張実績をもとに、国内・海外出張の日当相場、宿泊費、計算方法、課税・非課税の考え方を分かりやすく解説するでござる。。

出張手当とは?交通費・宿泊費・日当の違い

「出張手当」という言葉は会社によって使われ方が異なります。
実際には、出張に関する費用を次のように分けて考えると分かりやすいです。

項目 主な内容
交通費 電車・新幹線・飛行機・バスなど
宿泊費 ホテル・旅館などの宿泊料金
日当 出張中の諸雑費などを補うために支給される定額手当
その他経費 タクシー代・業務上必要な施設利用料など

交通費や宿泊費は、実際に使った金額を精算する「実費精算」が多く用いられます。
一方の日当は、
国内出張1日につき2,500円
のように、会社の旅費規程で一定額を決める方式が一般的です。
ただし、会社によっては日当そのものを設けていない場合もあります。

国内出張の日当相場はいくら?

2026年現在でも参考になる公的資料として、財務省が実施した「民間企業における出張旅費規程等に関するアンケート」があります。2023年の調査では、民間企業の国内出張日当の平均額は2,621円でした。
JTBビジネストラベルソリューションズが同調査を整理した数値では、

出張区分 平均額 最低額 最高額
国内出張 2,621円 1,780円 3,786円
海外出張 5,441円 4,256円 7,041円

となっています。

そのため、国内出張の日当をざっくりイメージするなら、
1日2,000〜3,000円前後
がひとつの目安になります。
ただし、これはあくまで調査結果です。
実際の支給額は、

  • 一般社員
  • 管理職
  • 役員
  • 日帰りか宿泊か
  • 国内か海外か

などによって会社ごとに異なります。

国内出張の宿泊費はいくらくらい?

宿泊費については、昔のように
「ビジネスホテルなら5,000〜8,000円程度」
では収まりにくい都市も増えています。
JTBビジネストラベルソリューションズが顧客の2024年度実績から集計した、主要都市の1泊食事なしの平均単価は次のとおりです。

都市 宿泊平均単価の目安
東京23区 約13,400円
大阪市 約10,500円
札幌市 約10,500円
名古屋市 約9,800円
福岡市 約11,300円

東京では1万円を超える宿泊が珍しくない状況です。
そのため会社側でも、
東京は上限13,000円
地方は上限10,000円

のように、地域によって宿泊費上限を変えるケースがあります。
財務省の2023年調査でも、国内出張の宿泊料について、67.7%が実費支給または上限付き実費支給、28.9%が定額支給でした。

海外出張の日当・宿泊費の相場

海外出張では、国内より日当が高めに設定される傾向があります。
先ほどの財務省調査では、海外出張日当の平均は5,441円でした。
ただし、海外では国・都市によって物価が大きく違います。
JTBビジネストラベルソリューションズの2024年度宿泊実績では、1泊食事なしの平均単価が、

都市 宿泊平均単価の目安
ニューヨーク 約60,000円
ロンドン 約55,400円
シンガポール 約34,900円

となっています。
そのため海外出張では、
「海外なら一律○万円」
というより、地域ごとに宿泊費や日当の基準を分ける方が現実的です。

出張手当・日当はどう計算する?

会社によってルールは違いますが、基本的には、
交通費+宿泊費+日当+業務上必要な経費
で考えます。

日帰り出張の計算例

たとえば会社規程が、

  • 日当:2,500円
  • 交通費:実費

となっている場合。

新幹線などの往復交通費が10,000円なら、
交通費10,000円
+日当2,500円
=12,500円

が会社から支給・精算されるイメージです。
ただし会社によっては、
片道50km未満は日当なし
4時間未満は半額

など独自の条件があります。

1泊2日の出張の計算例

次のような会社規程だとします。

  • 往復交通費:20,000円
  • 宿泊費:実費12,000円
  • 日当:1日2,500円
  • 日当は出張日数分を支給

この場合、
交通費:20,000円
宿泊費:12,000円
日当:2,500円×2日=5,000円

合計、
37,000円
となります。
ただし、日当を宿泊日数で数えるのか、出張日数で数えるのかは会社規程によって異なるので注意してください。

2泊3日の出張なら?

同じ条件で2泊3日なら、
交通費:20,000円
宿泊費:12,000円×2泊=24,000円
日当:2,500円×3日=7,500円

合計、
51,500円
となります。
あくまで計算例なので、実際には勤務先の旅費規程を確認してください。

実費精算と定額支給は何が違う?

出張費には、大きく分けて2つの支給方法があります。

実費精算

実際に使った金額を会社へ申請する方式です。
たとえばホテル代が11,500円なら、
11,500円を精算
します。
交通費や宿泊費では、この方法がよく使われます。
財務省の調査でも、国内宿泊料については実費または上限付き実費支給が多数を占めています。

定額支給

実際に使った金額に関係なく、
宿泊費10,000円
日当2,500円

など、あらかじめ決められた金額を支給する方法です。
特に日当では定額方式が使われることが多いです。
ただし、定額であればいくらでも非課税になるという意味ではありません。

出張の日当は課税される?非課税?

ここは特に重要です。
国税庁では、役員・従業員へ支給する手当は原則として給与所得になります。
ただし例外として、
転勤や出張などのための旅費のうち、その旅行について通常必要と認められるもの
は非課税とされています。
つまり、
出張日当だから自動的に全額非課税
ではありません。
「出張に通常必要な範囲か」がポイントです。

出張旅費規程があれば何円でも非課税になるわけではない

よくある誤解が、
「会社で出張旅費規程を作れば、日当はいくら設定しても非課税」
というものです。
これは正確ではありません。
国税庁は、出張旅費・宿泊費・日当のうち、通常必要と認められる部分を非課税の対象としています。通常必要な範囲を超える部分は給与として扱われる可能性があります。
たとえば一般社員の日帰り出張に対して、社会通念上かなり高額な日当を設定した場合、
規程に書いてあるから全額非課税
とは限りません。

出張旅費規程を確認すべき理由

同じ出張でも、会社によって支給条件はかなり違います。
確認したいのは、

  • 出張とみなされる距離
  • 日帰り出張の日当
  • 宿泊出張の日当
  • 宿泊費上限
  • 新幹線・飛行機の利用条件
  • タクシー利用条件
  • 食事代の取り扱い
  • キャンセル料
  • 領収書が必要か

などです。
「隣県へ行けば自動的に出張扱い」という全国共通ルールがあるわけではありません。
勤務先の出張旅費規程・就業規則・経費精算ルールを確認するのが最も確実でござる。

出張日当は必ずもらえる?

いいえ。
法律上、すべての会社に出張日当の支給が義務付けられているわけではありません。
厚生労働省の資料でも、出張者への日当支給は就業規則などを根拠とするもので、法律上の日当支給義務はないとされています。
そのため、
A社では1日3,000円
B社では1日2,000円
C社では日当なし
ということもあり得ます。
交通費・宿泊費が精算されることと、日当が別途支給されることは別問題です。

出張の日当には何が含まれる?

これも会社によって異なります。
一般的には、

  • 出張中の細かな雑費
  • 食事に関する負担
  • 通常勤務とは異なる環境で発生する費用

などを補う趣旨で設定されます。
ただし、
日当とは別に食事代を精算できる会社
もあれば、
食事代は日当に含む
という会社もあります。
出張先で取引先と業務上の会食をした場合などは、通常の日当とは別の経費区分になることもあります。

ホテル代が会社の上限を超えたらどうなる?

最近の出張で起こりやすい問題です。
たとえば会社の宿泊費上限が、
1泊10,000円
なのに、東京出張でホテルが15,000円しか見つからないケースです。
JTBの出張実績でも東京23区の平均宿泊単価は約13,400円なので、1万円上限ではホテル選びが難しい日もあり得ます。
この場合、
自己判断で差額を払う
前に、上司や経理へ相談するのがおすすめです。
会社によっては、

  • 繁忙期は上限超過を認める
  • 事前承認があれば全額精算
  • イベント開催時は例外扱い

などのルールがあります。

インボイス制度で出張旅費の扱いはどうなる?

会社側の経理では、出張旅費とインボイス制度の関係もあります。
国税庁では、従業員等に支給する国内の出張旅費・宿泊費・日当のうち、通常必要と認められる部分については、一定の要件のもと帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる出張旅費等特例を設けています。
また、この扱いは、実費精算だから対象外というものでもありません。通常必要と認められる部分であれば、一定の条件で特例の対象となります。
ただし、これは主に会社側の消費税処理の話です。
従業員が、
「領収書はいらない」
と自己判断するのではなく、必ず勤務先の経費精算ルールに従ってください。

出張手当・日当に関するよくある質問

国内出張の日当はいくらが相場?

財務省の2023年調査では、国内出張日当の平均は2,621円でした。
そのため、2,000〜3,000円程度がひとつの参考になりますが、会社・役職・出張条件によって異なります。

海外出張の日当はいくら?

同調査では、海外出張日当の平均は5,441円でした。
ただし海外は地域ごとの物価差が大きいので、会社によって地域別の金額を設定している場合があります。

日帰り出張でも日当は出る?

会社の旅費規程によります。
日帰りでも全額支給する会社もあれば、
一定距離以上のみ
半日なら半額
日帰りは日当なし

という会社もあります。

出張日当は給料に含まれる?

出張に通常必要と認められる範囲の旅費や日当は、所得税上非課税となる場合があります。
ただし、通常必要と認められる範囲を超える部分は給与扱いとなる可能性があるため、単に「日当」という名前だけで判断することはできません。

宿泊費と日当は両方もらえる?

会社の規程で両方設定されていれば可能です。
宿泊費はホテル代、日当は出張中の諸雑費等というように目的が異なるため、別々に支給する会社があります。

領収書がなくても日当はもらえる?

定額の日当については、1回ごとの支出に対する領収書提出を求めない会社もあります。
ただし、交通費・宿泊費などは領収書や利用明細が必要になる場合があります。
必ず勤務先のルールを確認してください。

まとめ|出張手当は相場より会社の旅費規程を確認しよう

出張手当について一番重要なのは、
全国共通の金額が決まっているわけではない
という点です。
参考となる財務省の2023年調査では、
国内出張の日当平均
→ 2,621円
海外出張の日当平均
→ 5,441円
でした。

一方、ホテル料金は上昇しており、JTBの2024年度出張実績では東京23区の平均宿泊単価が約13,400円となっています。
そのため2026年の出張では、
日当はいくらか
だけでなく、
宿泊費上限はいくらか
実費精算か定額支給か
日帰りでも支給されるか
領収書は必要か

まで確認しておくことが大切です。
また税務上は、出張に通常必要と認められる旅費・日当などは非課税の対象になり得ますが、出張旅費規程さえ作ればどんな金額でも非課税になるわけではありません。
出張が決まったら、まず会社の旅費規程を確認する。
これが一番確実でござる。

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