※この記事は公開後、2026年9月に最新情報を確認のうえ大幅に加筆・修正しました。
「天気が崩れると頭が痛くなる」
「飛行機に乗ると耳が詰まったり痛くなったりする」
「出張の移動中に気圧変化で体調が悪くなりやすい」
という経験がある方もいるでござろう。
ただし、天候による頭痛と、飛行機などで起こる耳の痛みは、同じ“気圧”が関係していても仕組みは同じではありません。
片頭痛では、天候の変化や温度差、疲労、睡眠不足・睡眠過多、欠食、脱水などが発作の誘因・増悪因子になることがあります。日本頭痛学会の診療ガイドラインでも、天候の変化は片頭痛の誘因のひとつとして挙げられています。
一方、飛行機で耳が痛くなる症状は、機内と中耳の圧力差に耳管の調整が追いつかないことで起こる**耳の圧外傷(航空性中耳炎)**として説明されます。
この記事では、出張や旅行で困りやすい、
- 天候による頭痛
- 飛行機で起こる耳の痛み・耳詰まり
- 移動前後にできる対策
- 医療機関を受診した方がよい症状
について分かりやすく解説するでござる。
目次でござる
天気が悪いと頭痛が起こることはある?
結論からいうと、天候の変化が片頭痛の誘因になることはあります。
ただし、低気圧になれば誰でも頭痛になるというわけではありません。
片頭痛の誘因は人によって異なり、複数の条件が重なって発作が起こることもあります。
日本頭痛学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」では、片頭痛の誘発・増悪因子として、
- ストレス
- 疲労
- 睡眠の過不足
- 天候の変化
- 温度差
- におい
- 光や音
- 欠食
- 脱水
- アルコール
などが挙げられています。
天候だけが原因とは限らない
出張中に頭痛が起きた場合、「今日は低気圧だから」だけで判断しない方がよいでござる。
出張では、
- 朝が早い
- 睡眠時間が短くなる
- 食事時間がずれる
- 水分摂取が減る
- 長時間移動する
- 慣れない環境で緊張する
といった条件も重なります。
これらも片頭痛の誘因となり得るため、天候+疲労+睡眠不足+欠食などが重なって症状が出ている可能性もあります。
飛行機で耳が痛くなるのはなぜ?
飛行機の離着陸時に、
耳が詰まる
耳の奥が痛い
音が聞こえにくい
と感じることがあります。
これは、急激な気圧変化によって起こる耳の圧外傷(航空性中耳炎)の症状として知られています。
中耳と鼻の奥は「耳管」という細い通路でつながっています。
通常は耳管を通して空気が移動し、中耳と外気の圧力が調整されます。
しかし飛行機の上昇・下降で外気圧が急激に変わると、耳管による調整が間に合わず、鼓膜の内側と外側に圧力差が生じます。
この圧力差によって、耳詰まりや痛み、聞こえにくさが生じることがあります。
風邪や鼻づまりがあると起こりやすい
耳管がうまく働きにくい状態では、圧力調整が難しくなります。
特に、
- 風邪
- 鼻づまり
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔の不調
- 中耳炎
などがあると、飛行機で耳の症状が起こりやすくなる場合があります。
出張前に強い鼻づまりや耳の不調がある場合は、無理をせず医療機関へ相談するのも選択肢でござる。
飛行機で耳が痛くなりにくくする方法
飛行機の耳痛対策は、耳管を開いて中耳と外気の圧力を調整することが基本です。
離着陸時にあくび・飲み込みをする
飛行機の上昇・下降時は、
- あくびをする
- 唾を飲み込む
- 水分を飲む
- ガムを噛む
- 飴をなめる
といった動作で耳管が開きやすくなります。
MSDマニュアルやMayo Clinicでも、あくび・嚥下・ガムなどが耳の圧力調整方法として紹介されています。
特に下降時は耳が痛くなりやすいので、早めに意識しておくとよいでしょう。
耳抜きは強くやりすぎない
耳が詰まったときには、いわゆる「耳抜き」を行う方法もあります。
鼻をつまみ、口を閉じた状態で、静かに鼻から息を出そうとする方法です。
これはバルサルバ法と呼ばれます。
ただし、勢いよく強く吹く必要はありません。
圧力をかけすぎないよう、やさしく行うことが重要です。
離着陸中は眠らない方がよい場合もある
飛行機の離着陸中に眠っていると、
- あくび
- 飲み込み
- 耳抜き
などを行う回数が減ってしまいます。
Mayo Clinicでも、飛行機の上昇・下降中に眠ることは耳の圧力調整がしにくくなる要因として挙げられています。
耳が痛くなりやすい人は、離着陸時には起きておく方が対処しやすいでござる。
気圧調整用耳栓を使う方法もある
飛行機用の気圧調整耳栓も販売されています。
急激な気圧変化を緩やかにすることを目的とした製品です。
ただし、耳栓を付けたからといって、
飲み込む
あくびをする
といった圧力調整が不要になるわけではありません。
Mayo Clinicも、フィルター付き耳栓を使用する場合でも嚥下やあくびによる圧力調整は必要としています。
天候で頭痛が起こりやすい人が出張中に意識したいこと
天候そのものを変えることはできません。
そこで出張中は、自分で調整できる頭痛の誘因をできるだけ減らすことが現実的です。
睡眠時間を大きく乱さない
出張前日に、
準備で寝不足になった
朝一番の新幹線や飛行機で睡眠時間が短くなった
ということはよくあります。
しかし、睡眠不足だけでなく睡眠のとりすぎも片頭痛の誘因になることがあります。
できる範囲で普段と大きく違わない睡眠リズムを意識したいところです。
食事を抜かない
仕事が忙しいと、
朝食を抜く
昼食が夕方になる
といったこともあります。
欠食や空腹も片頭痛の誘因として挙げられています。
出張中は移動時間も考慮し、軽食を用意しておくと安心です。
水分不足を避ける
新幹線や飛行機で長時間移動していると、トイレを気にして水分を控えてしまう方もいるでしょう。
しかし、脱水も片頭痛の誘因になることがあります。
一度に大量に飲む必要はありませんが、こまめな水分補給を心がけたいでござる。
頭痛が起こる条件を記録する
頭痛が繰り返されるなら、
- 天候
- 睡眠時間
- 食事
- 水分
- 移動時間
- ストレス
- 頭痛が始まった時間
などを簡単に記録しておく方法があります。
「雨の日だから頭痛が起きる」と思っていても、記録すると、
寝不足+朝食抜き+雨の日
のように、自分特有のパターンが分かることもあります。
頭痛薬は自己判断で使いすぎない
普段から片頭痛の診断を受けている場合は、医師から指示された薬を出張時にも忘れず携帯しておくと安心です。
一方、市販の鎮痛薬を頻繁に使用している場合は注意が必要です。
頭痛薬を繰り返し使用することで、かえって頭痛が慢性化する「薬剤使用過多による頭痛」が起こる場合があります。日本神経学会でも注意が示されています。
そのため、
天気が悪そうだから毎回先に薬を飲む
といった自己判断を習慣化するより、頭痛が頻繁に起こる場合は医師や薬剤師へ相談した方がよいでしょう。
こんな耳の症状があれば耳鼻科へ
飛行機で耳が詰まっても、多くは圧力が戻るにつれて改善します。
ただし、
- 強い耳の痛みが続く
- 数日経っても耳が詰まっている
- 聞こえにくさが続く
- 強いめまいがある
- 耳から出血した
といった場合は、耳鼻咽喉科への相談を検討してください。
耳の圧外傷では、重症になると鼓膜の損傷や難聴、めまいなどを伴う場合があります。
「飛行機に乗ったから仕方ない」と長期間放置しないことが大切でござる。
こんな頭痛は「天気のせい」と決めつけない
頭痛については特に注意が必要です。
日本神経学会では、
- これまで経験したことがない強い頭痛
- 突然始まり、短時間でピークになる頭痛
- 発熱を伴う
- 手足の麻痺やしびれを伴う
といった場合は、早急に医療機関を受診することを勧めています。
天気が悪い日に起こったとしても、
「いつもの気圧頭痛だろう」
と自己判断しない方がよい症状があります。
特に突然の激しい頭痛や、ろれつが回らない・手足に力が入らないなどの症状がある場合は、すぐに医療機関へ相談してください。
出張前に準備しておくと安心なもの
気圧変化による不調を経験したことがある人なら、出張前に簡単な準備をしておくと安心です。
たとえば、
- 飲み物
- 軽食
- 普段使用している薬
- 気圧調整用耳栓
- 飛行機で噛むガムや飴
- 健康保険証またはマイナ保険証
など。
耳痛や頭痛が頻繁に起こる場合は、出張直前ではなく、普段から医療機関に相談して自分の症状を把握しておくのが最も確実でござる。
気圧による頭痛・耳の痛みに関するよくある質問
天気が悪いと頭痛が起きるのは本当?
片頭痛がある人では、天候の変化が発作の誘因や増悪因子になることがあります。
ただし、全員に起こるわけではなく、疲労・睡眠・空腹・脱水など別の要因が重なっている場合もあります。
飛行機で耳が痛くなるのは低気圧が原因?
単純に「低気圧だから」というより、中耳と機内の圧力差を耳管がうまく調整できないことが主な原因です。
飛行機で耳が詰まったらどうすればいい?
あくび、飲み込み、ガムを噛むなどを試します。
必要に応じて、鼻をつまんで口を閉じ、静かに息を送るバルサルバ法もあります。強くやりすぎないことが重要です。
気圧調整用耳栓だけで防げますか?
補助的に使用できますが、完全に防げるとは限りません。
耳栓を使用していても、離着陸時にはあくびや飲み込みなどで圧力を調整することが推奨されています。
頭痛が頻繁に起きる場合は何科?
繰り返す頭痛については、脳神経内科や頭痛外来などで相談できます。
普段と違う突然の強い頭痛や神経症状を伴う場合は、緊急性がある可能性があるため速やかな受診が必要です。
まとめ|天候による頭痛と飛行機の耳痛は分けて考えよう
「気圧で体調が悪くなる」と一括りにされがちですが、天候で起こる頭痛と、飛行機で起こる耳の痛みは分けて考えることが大切です。
片頭痛では天候変化が誘因になることがありますが、睡眠不足・疲労・欠食・脱水なども関係します。
一方、飛行機の耳痛は、急激な気圧変化に対して耳管による圧力調整が追いつかないことで起こります。
出張時には、
頭痛対策
→ 睡眠・食事・水分を大きく乱さない
飛行機の耳痛対策
→ あくび・嚥下・ガム・やさしい耳抜き
と分けて考えると分かりやすいでござる。
そして、症状が強い・長引く・普段と明らかに違う場合は、「気圧のせい」と決めつけず医療機関へ相談することが重要です。

































